category:進路選択親子で読みたい
進学NEWS
2026.10.01

目立っている人に憧れるけれど、自分が何をしたいのかわかりません。

クラスで注目を集めている人。
部活で結果を出して輝いている人。
SNSでたくさんのフォロワーがいる人。

そういう人を見て「いいな」「うらやましいな」と感じる一方で、自分には何もないような気がして、もやもやしてしまう。

このコラムを読んでくださっているあなたには、そんな経験があるのではないでしょうか。

「あの人みたいになりたい」という気持ちはあるのに、じゃあ自分は何がしたいのかと聞かれると、答えが出てこない。

ここにギャップを感じて余計に苦しくなることもあるかもしれません。

今回は、そんな「憧れ」の気持ちを手がかりにして、自分のやりたいことを見つけていくための視点をお伝えしたいと思います。

■ 憧れは、自分の中にある「これから育てたいもの」を映しているかも!?

まずお伝えしたいのは、その自分からは遠く見える「憧れ」には、自分を知るためのたくさんのヒントが隠れているということです。

心理学の考え方に人が他者に対して強く何かを感じるとき、そこには自分自身の一部が映し出されているというものがあります。

つまり、あなたが「あの人みたいになりたい」と強く感じるということは、あなたの中にもすでにその種があるのかもしれません。

自分とは全く関係のないものには、人はそこまで心を動かされないものです。

たとえば、同じ目立っている人を見ても「ふーん」とあまり関心を持たない人もいれば、胸がざわざわするほど強く惹かれる人もいると思います。

その違いには、その人の中に「その要素を求める気持ち」があるかどうかも関係しているのではないでしょうか。

「憧れ」は自分とはかけ離れた存在ではなく、「自分がこれから育てたいもの」を教えてくれるサインなのかもしれません。

■ 「何に」憧れているのかをもう一段掘り下げよう

とはいえ、「あの人に憧れている」という気持ちのままだと、何が「自分がこれから育てたいもの」なのかわかりませんよね。

そこでおすすめしたいのが、その憧れの中身を掘り下げてみることです。

たとえば、SNSで目立っている人に憧れているとき、あなたはその人の「何に」惹かれているのでしょうか。

容姿の美しさに憧れているのか。
世の中に自分を表現できるところに憧れているのか。
クリエイティブなところに憧れているのか。
いつも人に囲まれて楽しそうなことに憧れているのか。

こうして掘り下げていくと自分が求めているものが見えてきます。

ただ「目立ちたい」わけではなくて、「自分の思っていることを、ちゃんと言葉にできるようになりたい」だったり、「安心して本音を話せる仲間がほしい」だったり。

そこまで見えてくると、次にやってみることが具体的になってきます。

「容姿の美しさに憧れている」なら、メイクや髪型、服装などを工夫してみたり、美しいと感じるものにさらに触れてみたり。
「世の中に自分を表現できるところに憧れている」なら、 まずは自分の言葉で日記を書いてみたり、少人数から話す機会を増やしてみたり。
「クリエイティブなところに憧れている」なら、小さいものでもいいから自分で何か創作してみたり、クリエイティブなものに触れてみたり。
「いつも人に囲まれて楽しそうなことに憧れている」なら、友達との時間をさらに大切にしてみたり、興味のある活動に参加してみたり。

一段掘り下げて気づいた自分が求めているものに沿って行動してみると、少しずつ自分がしたいことが見えてくるかもしれません。

■ もやもやの奥に、あなたの本音が隠れている

そして、憧れの気持ちの中に、うらやましさや、ちょっと苦い感情が混ざることもあると思います。
「いいなとは思うけど、とてもじゃないけど自分にはできない」
「気になるけど、あそこまでやるのは引いちゃう」
そんな気持ちが出てきたとき、「こんなふうに思う自分は嫌だな」と感じてしまう方も少なくないかもしれません。

でも、その感情は決して悪いものではありません。

むしろ、ざわざわして気になる相手ほど、自分が「本当はやりたいのに、諦めていること」の答えを持っていたりします。だからこそ、心が揺れるのです。

その感情をなかったことにせずに、そっと見つめてみてください。

「なんでこんなにざわざわするんだろう」
「あの人の何が、そんなにうらやましいんだろう」
そう問いかけてみると、自分でも気づいていなかった願いが、ふと顔を出すことがあります。

やりたいことは、どこか外側にあるものを探して見つけるというより、こうした感情の揺れを手がかりに、少しずつ形になっていくものなのだと思います。

今すぐはっきりした答えが出なくても大丈夫です。

憧れる人がいるということは、あなたの中にすでに何かが動いているということ。その感覚を一つ一つ大切にしながら見ていくと、少しずつ自分の輪郭がはっきりしてきます。

☆ 小さな一歩が未来を変える。今、前に進むための質問

最近「いいな」と思った人を思い浮かべて、その人の「何に」惹かれたのかを紙に書き出してみましょう。一つではなく、いくつか出してみると、「自分が求めているもの」が見えてくるかもしれません。

[中村 文香]
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プロフィール : 中村 文香(なかむら あやか)

U-Discovery代表。国家資格キャリアコンサルタント。高校生からミドル世代まで、キャリアの転換期における意思決定や、周囲と協力しキャリアを築いていくためのサポートを行なっている。高校の進路選択では、人の心に関わる分野に興味がありながらも、就職で潰しがきくと、工学部を選択。北海道大学総合科学院総合化学専攻修了後、電子機器メーカーにて研究開発に従事。三十歳を目前に、今後のキャリアで本気で取り組みたいことを考えた結果、学生時代から関心のあったキャリア支援の道への転向を決意。同企業の人事部を経て独立。理系出身の分析力と大幅なキャリアチェンジの経験を活かした視点や、楽しみながらキャリアに取り組めるワークが好評。

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